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GODZILLA ゴジラ
2014/08/06(Wed)
最初に言っておくが、この映画、「ムートー」に改題すべきである。

さすがにゴジラ世代ではない…かもしれない。
ゴジラのオリジナルはチラチラと見たことはあるが、しっかりと見たことはない。
ただ「東映まんがまつり」に対抗した「東宝チャンピオンまつり」は何度か観に行ったので、そのたび「ゴジラ対〇〇」は必ず観た記憶があるし、ドラえもん第一作(のび太の恐竜)でも、確か併映がゴジラだったように思う。

しかしこうした末期のゴジラのひどさは目に余り、やや斜に構えた子ども心にも「看板キャラをもっと大事にしろよ」と眉根をひそめるような出来であった。
だから1990年代になってゴジラが再製作されるようになっても、東宝の姿勢についてはいつまでもガンダムで儲けようというバンダイを見る目と同じく、なんとなく鼻白んでいた。
再びゴジラの製作がストップする頃には、またしても東宝は丁寧な造りこみを忘れて惰性で作っているような気がしたし、多分実際そうだったのだろう。

そしてここでもレビューが残っているハリウッド版ゴジラ(黒歴史)へと続いた。
あの恐竜ゴジラは酷かった。
同類と思われたら元祖ゴジラが可哀想だった。
名前を使われただけとしか思えなかった。
物語もひどかった。
つーかジャン・レノお前は何だったんだ!<これも慰謝料のためか?
さてそんなこんなで再びハリウッド版ゴジラが甦ったのが今作である。
ゴジラの造型は確かに元祖に近い。ちょっと太ったような気がするのはピザとコーラの国ゆえだろうか。

渡辺謙はなんと「芹澤博士」の名をいただいている。
芹澤博士とは元祖ゴジラで、自然破壊を繰り返す人間への怒りを体現し、破壊の限りを尽くすゴジラを葬り去ると同時に、ゴジラをも倒すその力を悪用されないため自らも命を絶つという、個人主義の白人に理解されるわけがない堅牢なる大和魂の持ち主である。

そして元祖でないゴジラ(いわゆるキングギドラなどとの対決ゴジラ)ものの定番と言えば、「強大な敵と戦うゴジラ」→「ちょっと負ける」→「再戦(モスラの力を借りたり、悩んだ末にいけすかないラドンと協力したりする)」→「勝利」→「歓喜に沸く日本国民の前で、今度はゴジラが大暴れ」→「自衛隊と対決」→「ゴジラ退散」のパターンである。
(とはいえゴジラに詳しくはないので、「違うよ!」と言う方にはすんまそん。)
ならば今回のハリウッドゴジラは「ムートーと対決」→「ちょっと負ける」→「再戦」→「勝利」→「今度はゴジラが大暴れ」→「渡辺健出動」→「相討ち」で終わりか…と、思うじゃん!!思っちゃうじゃん!!
全然違うよ!

この映画、いい点もあるが、悪い点も多い。
いい点はもちろん、ゴジラの造形がハリウッド風ダイナソーゴジラではなく、元祖ゴジラっぽいこと。
CGなどの技術が上がっているので、破壊のシーンや人間があっけなく潰されるシーンが迫力があること。

うーん、いい点がこれくらいしかないのに、悪い点は結構思いつく。
まず主人公の立場が最初から最後までふわふわしてるのが気に入らない。
そして物語の流れが非常にわかりにくいのが気に入らない。
芹澤博士は結局何のために出てきたのかわからないのが気に入らない。(ぶっちゃけこのキャラがいなくても物語には全く支障がない。)
ゴジラが「自然の調整者」となっているのもちょっと気に入らない。
尻切れトンボ的ラストは気に入らないというより拍子抜け。

かつて日本に住んでいた主人公は、15年前の原発事故で母親を失い、父親はその事故の真相を究明しようと日本に残って変人扱いされている。
ぶっちゃけ、この父親の方がよほど主人公っぽい。というか主人公にして、芹澤博士との絡みをもっと出した方がずっとよかったと思う。
主人公はアメリカで海軍の軍人で、爆発物処理が専門。父が日本で立ち入り禁止区域に侵入し、逮捕されたため引き取りに行くところから物語が動き始めるのだが…とにかくこの主人公、主人公らしい活躍があまりない。騒動に巻き込まれてアメリカに帰ろうとするのはともかく、なら家族優先なのかと思いきや、自分から爆発物処理を願い出たりとスタンスが一貫しない。
一刻も早く家族の元に行きたいのに能力を買われて任務につかされる…というわけでもないので、どうも緊迫感がない。彼は海軍で所属も違うので、前線でも扱いがふわふわしている。
ちなみに、彼より「主人公っぽい」父親は前半であっさりと死んでしまう。えー

物語の流れについては、冒頭フィリピンの採掘場で陥没が起き、地下から謎の生物の化石と無傷の卵が出てきたというシーンがあるのだが、「フィリピン沖で地震があった」とセリフで語られるだけで、すぐに舞台は日本に移ってしまう。
そして日本では謎の振動が続いており、またしても「フィリピンの地震の影響か」というようなセリフでしか推測できない。主人公の父が謎の電磁パルスを怪しむうちに、やがて大地震が起き、原子力発電所が完全倒壊して妻は死んでしまう。
そしてムートーの出現に至るのだが、芹澤博士の説明がわかりにくくよくわからない。
もともとムートーはフィリピンにおり、オスは日本へ向かい(ここがよくわからん)原子炉のエネルギーを食っていた。メスは卵のままアメリカに運ばれて研究されていた。
そしてこのオスとメスの電磁波による会話を、海底深く眠るゴジラはただ静かに聞いていた…というような説明だったと思う。

うむ、よくわからん。

芹澤博士はフィリピンと日本でこのムートーについて研究していた人だが、「殺したら放射線が噴き出すと思って殺せなかった」とモタついているうちに原子炉からエネルギーを吸い尽くしたオスを取り逃がし、メスは放出する放射線量が多いのでネバダの各廃棄物処理場に廃棄し、結局また暴れ出すという「全部おまえの読みが甘かったからじゃないか!」といううっかりぶりである。
特に重大な助言をするでもなく、彼が言ったのは「(ゴジラと)戦わせましょう」という一言。しかしゴジラがムートーの天敵であるという根拠ははっきり示されないままだった。
なぜならフィリピンで化石化してたのはゴジラで、彼は「あれはムートーにやられた」と言ったからだ。ってことはゴジラ、ムートーに負けてるやん!<なおよくよく調べてみると、こいつらは寄生虫と宿主の関係だったらしい

そして前述のとおり、ゴジラは自然の調整者となっている。
地上が今の10倍の放射線であふれていた頃、放射線をエネルギーとするゴジラは生物界の頂点に立っていたそうだ。
やがて放射線が減少すると、ゴジラは海底深くもぐり、地球の核からエネルギーを取り込み始めた。
ところが原爆や水爆実験で地表の放射線量が上がったため、ゴジラは目覚め、地上へと姿を現したのだ。
彼を叩き起こした米ソは、ゴジラを退治するために南太平洋で原爆・水爆を食らわせた。あれは実験などではなく、対ゴジラ戦だったのだ!つかゴジラも災難だな!<とはいえ起き抜けのゴジラはおめざをもらったようなものだが
そしてムートーのような破壊者が現れると、ゴジラはそれによって生物バランスが壊れないように目覚め、そのクラッシャーをデストロイしに来るのだとか。
まさに「GOD」ZILLA!

生殖活動のために太平洋を渡るオス、ネバダで目覚めてラスベガスを破壊し、サンフランシスコに向かうメス。それを追いかけるゴジラ。
この三つ巴に主人公がから…から…からめない!というかからみ方が下手!
ハワイのくだりとかいる!?あの広い太平洋を泳ぐ中で、ハワイ上陸の可能性ってどんだけ?
あの男の子と女の子の描写って何か意味があるのかと思ったけど別になかったよね?いるの、あれ?
軍は最初から最後まで「核エネルギーでおびき寄せてミサイルで粉砕」作戦しかとらず、人が野蛮な巨体にあっさりと敗れる恐怖も、圧倒的な破棄力への恐怖も何もない。パニックに陥った人々の逃げる姿なんかは、かの「ダイナソーゴジラ」の方がまだよく描けていたくらい。

主人公の息子が乗るバスがムートー対ゴジラのデュエルに巻き込まれるシーンも演出がイマイチのせいか大してハラハラせず、とにかく全然怖くない。
あとゴジラがちょっと予想以上に弱くてがっかりだった。
特に緒戦はボコボコで、ムートーの夫婦攻撃に完全にしてやられた。ムートーはノミの夫婦で、小さくて身軽な夫が羽を持って空からの波状攻撃、デカい妻が地上からガチンコのテッポウ攻撃である。ゴジラもぎゃーぎゃー悲鳴をあげるだけで、なす術がない。弱い、弱いよゴジラ!

しかし後半は息を吹き返し、ゴジラお得意の口からビームを駆使してムートー夫妻を撃破。ムートー妻の口の中にビームを斉射する姿はなんか「人妻の口に何かを流し込むヤバいおっさん」みたいだったが、とりあえず勝利。なんで最初から原子力ビームを使わなかったのかとか、チャージしてなかったんならフルチャージしてから挑めよとか、腑に落ちない点は多々あるけど、ゴジラ勝利。
しかも勝利と同時にゴジラは倒れこみ、ピクリとも動かない。死んじゃったのかと思ってたら動き出すゴジラ。寝てただけかい!疲れて行き倒れたおっさんかい!!

でもっ!
でもゴジラはここからだよね!
なんかすっごい時間かかってもう終わりじゃないかと思える時間だけど、そんなはずないよね!
だってゴジラが単純な「正義の味方」や都合のいい「人間の味方」のはずがない。

ここからだ!今度は人間の敵になったゴジラがほっとしたアメリカ人の前でサンフランシスコを破壊し始めるんだ!

そして今までパッとしなかった渡辺謙の芹澤博士が、「役目を終えたゴジラは、人間も自然を破壊する破壊者と判断したんだ」とか、「ゴジラ、もういい。おまえのいるべき場所へ帰れ!」とか言いながら、何か策を練るんだ!アメリカ人は腹切りはさせないだろうから、囮になって最後は軍と協力してゴジラを沈めて眠らせるなんて方法を取るんだ!そうに違いない!!
…と、思った私の5秒間は、寝ぼけたゴジラがよたよたと海に入っていくシーンで「あー、こりゃ何もないわー」という絶望に変わった。
そのまま暗転し、流れ出したBGMとエンドロールと明らかに映画館の空気も「…え?終わり?」という感じだった。

時間的には十分終わる時間なんだけど、どうも腑に落ちない。
100歩譲ってゴジラが大暴れしないまでも、もうちょい何か余韻的なものがあってもいいんでないのか。
これじゃゴジラは本当にただの「いい人」ではないか。勧善懲悪の「ヒーロー」ではないか。
水爆で自分を殺そうとした国の人間を守る「すごい人」ではないか。
それとも、行き倒れている時に餌(エネルギー)をくれた「いい人」たちへの恩返しだったのだろうか

って、ええええええええええ~

公開前の煽り文句は「元祖ゴジラへのリスペクトがすごい」とか、「まさにゴジラ復活という感じ」と聞いていたし、実際トレーラーやPVではゴジラがゴジラらしかったのでいけるかも、と思っていた。
その上、「時代も舞台も違うんだし、そこはそれ、ハリウッド風の味付けになるのは仕方がない」と、ハードルもかなり下げていた。
下げていたのに堂々とくぐっていくとは何事か!!

人に「ゴジラを見た」と言うと、ほぼ全員が「ゴジラ見るならマーニーの方がいいと思うよ」と言うので、来週は素直にマーニーを見に行こうと思う。くそぅ、お盆だから混むじゃないか!

なお三角頭のムートーは二足歩行っぽい動きをするのだが、その造形には全く魅力がない。
全様がなかなか見えないという演出だった「クローバーフィールド」のHAKAISYAを思い出した。

なお主演のアーロン・ジョンソンは「モロダシのB級だが、好きな人にはA級」の映画「キック・アス」でヒョロヒョロの主人公を演じた人である。つくづく、白人はマッスルだなぁ…

あと途中で放射線まみれのゴジラ映画を広島の原爆記念日に見ていることに気づいた。自分的にちょっと不謹慎だった。
最後にもう一度言っておくが、この映画、「ムートー」に改題すべきである。
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塔の上のラプンツェル
2014/05/02(Fri)
GWの旅行中、機内上映で見たのだが、結構前なのでうろ覚え・・・
原作の「ラプンツェル」は結構生々しくて、ぶっちゃけ夜這い王子とラプンツェルはセックス三昧な上に追放されたり失明して放浪したりと残酷な部分もあるのだが、最後は大団円。

とはいえアンデルセンの悲劇の傑作「人魚姫」ですらハッピーエンドにしてしまうディスニーマジックにかかれば、なんでもかんでも「清純ハッピー♡」になるのはわかりきっている。
長い髪を持つラプンツェルはとある国の王女だったが、高い塔の上で、魔女を実の母親と信じて暮らしていた。
妊娠中のお妃が病にかかり、魔女が独り占めしていた魔法の花を使って生き永らえたため、生まれた子の髪の毛には花と同じ力が宿った。
そこで魔女はその子をさらい、外の世界は恐ろしいと教え込んで、ラプンツェルを塔に閉じ込めていたのだった。

やがて外の世界に憧れを抱くようになったラプンツェルの元に、盗賊稼業を生業とする色男フリン・ライダーが現れる。
ラプンツェルは毎年空に飛ばされる灯の正体を探るべく、フリンと取引をして塔を抜け出し、大冒険を開始する…というのがストーリー。

公開された頃、テレビで感想を聞くと「今までのディズニーのプリンセスものの中で一番元気でチャーミングで、一番好きかも」と言っている人がいたので気になっていた。
確かにこのラプンツェル、元気過ぎてひと時もじっとしていない。

中川翔子も、この人は噛みあわせが悪いのか発音によくない癖があり、女優でもないため演技もなかなか向上しないが、等身大の女の子というコンセプトのせいか元気にしゃべりまくる。
ただし魔女で養母のゴーテルを演じた人(剣幸・元宝塚トップスター)がものすごく上手だったので、この2人の掛け合いは一番面白かった。剣さんが未熟なしょこたんをリードしたのは明白だった。

確かにプリンセス物のわりには冒険活劇の色合いが非常に濃い。
ラプンツェルが世間知らずで素直で明るいことに加え、フリンことユージーンにスポットが当たる事も多く、この2人の掛け合いも夫婦漫才のようでとても面白かった。

見た目も言葉遣いもちゃんと女の子なのに、ラプンツェルはやんちゃな男の子みたいで元気はつらつ、でも女の子ゆえにできないことはできないので、逃げ出したりへこんだりするのは確かに可愛い。ユージーンが最初は結構彼女を疎ましく思っているので、彼の心が変化していくさまも楽しい。
やがて自分の正体に疑いを持ち始め、ユージーンと恋に落ちるラプンツェル。

けれど映画の起承転結はそんなシンプルロードを許すはずはなく、ゴーテルと結託したユージーンの悪い仲間に騙され、ユージーンは捕えられるし、ラプンツェルは結果的にゴーテルに連れ戻されてしまう。
護衛隊長より護衛隊長らしい護衛隊長の馬(長いわ!)のマキシマスやカメレオンのパスカルなど、ディズニー映画らしいファニーアニマルもてんこ盛り。

ラストはユージーンがラプンツェルの髪を切り、その魔法の力を失わせると同時に絶命してしまうんだけど、髪を切ったラプンツェル(しかも黄金色の魔法の髪は、切られると何の変哲もない茶色い髪に変わってしまう)が別人過ぎてビックリした。
いや、あれ完全に別人だってばさ。

絶命したといってもミラクルで生き返ったユージーンは、無事に父母である王と王妃のもとに帰ったラプンツェルから求婚され続け、ついに観念して結婚した模様。
ゴーテルは魔法が失われ、自分がもう二度と若さを手に入れられないと絶望して塔から転落し、死んでしまった。

でもさぁ、この話って「みんなに愛され、慕われていた王妃の命を救うため」という大義があるとはいえ、大昔にゴーテルが「自分で」探し出して「自分で」手に入れていた魔法の花を、王の軍がちゃっかり奪ったんだよね…

ゴーテルさんが自分で苦労して手に入れたもので「自分の若さを保つ」という欲望をかなえるのは別に悪くなくね?
むしろいくら王様でも力づくで他人の物を奪うってヒドくね?
ゴーテルさんが自分のものを取り戻そうとしたのは無理からぬ事じゃね?

ハッピーエンドはいいんだけど、どうにもこの点が腑に落ちんわ。
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アイアンマン3
2014/04/26(Sat)
こちらも機内上映で吹替え版を視聴。
そしてこちらもかなり記憶が曖昧に…ただひたすら「1作目のドラム缶でどーんの主人公の頑丈さにもびっくりしたが、今作はペッパー・ポッツの最強ぶりにびっくりした」作品であった。

トニー・スタークは「アイアンマン2」でもリアクターの副作用に悩まされてうつっぽくなってたけど、今回は「アベンジャーズ」でトンデモ超人たちと一緒に戦った祭の後に、不眠症やらパニック障害やらアーマースーツ依存症やらを発症している模様。
意外とメンタル弱いなこいつ…

結構強気でいつも軽口を叩いてるのは、「キャンキャン!俺の傍に近寄るなキャンキャン!噛みつくぞ引っかくぞキャンキャン!」ってことなんだろうな。
いや、これバカにしてるんじゃなくて、自分もモロにこのタイプなもので、見てると恥ずかしくて「アイタタタ」なのである。

冒頭は時を遡り、まだ死の商人だった頃のトニーが女を引っ掛け、冴えない科学者との約束を思いっきり反故にするシーンから。
トニーがこの昔話を皮切りに、今回の一連の事件を説明してくれるようなナレーションから物語が始まる。

この時点ですっぽかされ、屈辱を食らわされたその科学者こそが今回の敵になるわけだが、ヤツは人間を発火させる薬品を開発しており、それこそ「証拠の残らない爆弾」に仕立て上げてテロを起こしていた。

テロに巻き込まれたホーガンのため、トニーはテロリストに対し、自分の住所を明かして宣戦布告してしまう。

むーん、前言撤回。

弱い犬は敵を遠ざけようとするからこそ先制攻撃でキャンキャン吠えるのであり、トニーのように逆にキャンキャン吠えて誘き寄せるのは弱い犬ではない。

ただのおバカ犬である。

案の定テロリストに急襲され、ポッツはさらわれるわトニーは辛くも逃げ出した先でスーツが故障してパニックを起こすわで散々。

この時トニーを助けてくれる、ちょっとひねくれたガキんちょとトニーの会話が面白かったので、もっと彼に活躍して欲しかったなぁ。

テロの首謀者と見られる「マンダリン」が単なる傀儡で、役者あがりの男がのほほ~んと演じてたってのは面白かった。

しかもこれを演じてるのがベン・キングズレーなもんだから、これまためっちゃ芸達者なんだよね。

テロなんかとてもできそうにないとぼけてて憎めない役をコミカルな演技で見せてくれてすごく面白かった。

お手製の武器作成も、恵まれた環境でスーツを42作も作ってしまう今のトニーより、拉致られた洞窟でドラム缶ミサイルを作ってしまう泥臭い「スターク・エンジニア」っぽくてよかった。

こう書いて思い出したけど、今思えばあの時以上に絶望的な状況なんかないよねぇ。すげー、「アイアンマン」すげー、今さらか

ラストはこのたくさんのアイアンマンスーツが自動操縦で集合し、ローズのアイアン・パトリオットと共にタンカーの上を飛びまわる。

そしてラスボスのキリアンは一旦はアイアンマンスーツを着せられて自爆させられたものの踏ん張り、けれど彼自身が投与した薬のおかげで超人化したポッツマンによる一撃で粉砕。

うーわー…強過ぎるやろポッツマン…

リアクターを外し、スーツ依存症からも回復したトニーは、ついにアイアンマン卒業か…と思いきや、スーツがなくても自分はアイアンマンなのだと宣言。

そんな事言ってるとまたアベンジャーズに呼ばれるよと思っているとエンドロール後には、この物語を語って聞かせていたのが、なんとブルースことハルクにだったと判明する。

しかもブルースときたら話の途中で寝ていたらしい。

「どこからだ?」

「スイスのあたりから」

完全に冒頭じゃねーか!!

ま、「アイアンマン4」があるかどうかはわからないけど、少なくとも「アベンジャーズ」は続きそうだ。
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エリジウム
2014/01/01(Wed)
低予算ながら「地球に辿りついた高い知能を持つ異星人が、その見た目から苛烈な『人種』差別を受ける」という、今までにない新たな「宇宙人襲来物」を描いた「第9地区」の監督が、今度は大物俳優をこれでもかと投入して作成した格差SF。
22世紀、地球にはまさしく「上下」社会ができていた。
大気が汚染され、人口爆発によって人々を養いきれなくなった地球は荒廃し、病み疲れてしまったのだ。

そんな地球を富裕層はあっさりと見限り、軌道上に作り上げた楽園・エリジウムに移住して暮らしていた。
そこには清廉な空気と水、溢れる食物があるけれど、何より素晴らしいのは恐るべき発達を遂げた「医療」だった。
医療カプセルに入ることで、人びとはどんな疾病も怪我も一瞬で治癒してしまう。
エリジウムはまさに、「死」すら恐れる事のない永遠のユートピアとなっていた。

その一方、地上に取り残された人々は飢えや病、怪我に苦しみ、空を見上げてため息をつき、地面にひれ伏して絶望の生活を送っていた。
養護施設で育った孤児のマックスもその1人。
文字を教えてくれた孤児仲間のフレイと交わした、「いつかエリジウムに連れて行ってあげる」という約束を守るため、盗みを繰り返すマックス。
けれど優しい院長先生は彼を頭ごなしに叱るのではなく、自分たちが生きるこの汚れてしまった地球も、宇宙から見れば美しい惑星であると優しく諭すのだった…

ブサイク・インテリのマット・デイモン、メンサ会員のジョディ・フォスターなどの有名どころを投入する一方、「第9地区」の主人公がとんでもなくゲスい殺人者に扮してたりして小ネタにも事欠かなかったけど、なんとなく似たような設定だと思ったのがまさしく「TIME」
しかもこれもまた「『ガタカ』が面白かったから」と監督の手腕に期待した動機まで似ている。

つまらなかったわけじゃない。普通のディストピアものとしては全く問題ないレベル。
ただやっぱりね。あの「第9地区」と比べちゃうとね。まぁ比べ物にはならないかなって思う。
逆に比べ物にならないほどの人材や資金を投入してることもわかるんだけどね。

腕のいいクラッカーであり、かつ武闘集団を率いるスパイダーが送り込んだ移民シャトルと、エリジウムの防衛長官であるデラコート長官がクルーガーを利用して迎撃するシーンは手に汗握ったし、マックスがこの映画の宣伝文句だった「5日間の命」という運命に陥る理不尽さは、きっとこれまでの人類史の中でも実際知識のない労働者が蒙ってきた悲劇なんだろうなぁと思わせる。
このあたりの「社会派っぽいけど説教臭くない」緩急つけた演出はやっぱりうまいなぁと思う。

放射線によって蝕まれたマックスはまるで犬の餌のように薬を渡され、死を待つばかりの身になってしまった。そんな彼をスパイダーは歓迎し、取引を申し込む。
エリジウムから来ている要人を誘拐し、その頭にあるデータをそっくりいただこうと言うのだ。
成功すればマックスはエリジウムへのチケットを手に入れ、体を完治させる事も可能になる。

まずはそのデータを受け取るための電脳手術を受けるんだけど、これがまた荒っぽ過ぎて笑った。
言うなれば世紀末救世主伝説に出てくるヒャッハァーな方々に、やけにアナログな電ノコやらドリルやらネジを使い、超高度なサイバー手術を施されるようなものなので。
その「ついでに」装着されて神経接続されたエクソ・スーツもなんかえらい中途半端過ぎだよ!体からちょっと浮いてる感がハンパなく中途半端だよ!
つーかさ、あれ、感電せずにシャワー浴びられるんかなぁ…無理そう

狙ったのはマックスの雇い主でもある資産家ジョン・カーライル。
ところが時を同じくしてエリジウムの「平和」を守っていると自負しているデラコートが、自分を批判した上層部に反旗を翻そうとカーライルを抱きこんでいたからややこしい事態になってしまう。

なぜならマックスが相棒のフリオ(ただのチンピラかと思ったらすげーいいヤツだったので驚いた)を失ってまで手に入れたカーライルの情報は、エリジウムのシステムそのものを書き換える事ができる重大な極秘データだったからだ。
カーライルが死んでデータが盗まれたと知ったデラコートは再びクルーガーを投入し、マックスを追わせる。

地上で小汚い生活をしていたクルーガーが次々と最新メカを繰り出し、テクノロジーを駆使してマックスを追い詰めていくのは小気味いい…というよりは「バカに刃物を持たせたらいかんなぁ」とつくづく思わせるわ。

深手を負ったマックスが辿り着いたのは白血病の娘を抱えたフレイの元だった。
娘は既に手の施しようがなく、エリジウムに行くしか治せる見込みがない。
けれど今は追われる身のマックスには何もしてやれず、彼は2人を置いて去っていく。
マチルダが語った「ミーアキャットとカバ」の話を胸に刻んで。

このあたりまで結構まったりと進んできたけど、フレイとマチルダをさらったクルーガーがデラコートがなぜそんなにデータを必死に取り返せと言うか気づいてからは急に加速した。というか、急過ぎてびっくりした。
こいつの顔がド派手に吹っ飛ばされたのには驚いたけど、カプセルに入ったら見る見るうちに治ったので、逆に「あれで死なないってどんだけ頑丈なんだ」と感心した。
こんなすごい世界(エリジウム)を知りながらも、嬉々として地上のスラムで暮らしてるんだからやっぱり変なヤツだ。(ターンAのロランとかもそうなんだけど。)
何しろ復活したクルーガーは文句を言いに来たデラコートの首を掻っ切ってしまうのだ。

えええええ!?

あんなに悪役ヅラして非情に徹してきた彼女がこれで死んじゃうの?
あっけなさ過ぎてびっくりだよ。諦め早過ぎだよ長官!
そしてラストは当然クルーガーVSマックスのガチバトルだったけど、どうせなら「実は長官は半サイボーグでした」なんて設定で、ラストはメカ・フォスター大暴れなんて方が笑えたよ。

密入国してきたスパイダーは、マックスのデータを使えば地球の全住民がエリジウムの特権を行使できるようになると言う。
けれど、データをダウンロードした瞬間、マックスは死ぬ。
それは復活のない死なのだ。
柄にもなく躊躇するスパイダーに、おまえができないなら自分でやるとスイッチを受け取るマックス。

今まさに医療ポッドの中にいるマチルダのため、娘の回復を願うフレイのため、小さなミーアキャットを助けたカバの気持ちを理解したマックスは、かつてシスターが語った美しい地球を想いながら、静かにボタンを押すのだった…

う~ん…悪くはないんだけどねぇ…

実は機内上映で見たのだけど、ホントは「キック・アス2」が見たかったのに日本語吹替も字幕もなかったから仕方なくこれにしたんだけど…もうちょっと期待を裏切ってくれてもよかったよ?

まるで小さな箱庭みたいなエリジウムの様子は面白かった。
けどホント、まんま「TIME」っぽい。
特権階級には死がないとか、どんよりしたスラムや過酷な労働を強いる工場の様子とかもどことなく似てる。
でも命を賭けて変革を起こすという予定調和、かつ少し苦い終わり方は、同じ社会の変革でも終始力押し(強盗)だった「TIME」よりはまだよかった…かな?
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