2017 09 ≪  10月 12345678910111213141516171819202122232425262728293031  ≫ 2017 11
スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
キングスマン
2015/09/30(Wed)
「キック・アス」を世に送り出したマシュー・ボーンとジェーン・ゴールドマンの作品とあれば期待が高まる。

ロンドンにある高級紳士服店は、多くの貴族が世界大戦で命を落としたことで宙に浮いてしまった遺産を利用し、円卓の騎士になぞらえたどこの国家・民族・思想主義にも属さない、フリーランスのスパイ本部「キングスマン」だった!
まぁこの設定だけで「アホか」なんだけども、「英国王のスピーチ」で吃音のジョージ6世を演じたコリン・ファースがスタイリッシュな紳士スパイをやるなんて、一体どんな化学反応が起きるのか興味津々なのが人情というもの。

ガラハッドというコードネームを持つハリーは、かつて中東の某国で活動中、部下を失った。
彼は捕えた捕虜が持っていた手榴弾から、ハリーたち仲間を守るために人間の盾となり、命を落としたのだ。
この時共に活動していたランスロットも、現在は優秀なエージェントとなり、世界中で誘拐される要人救出のため、敵のアジトに潜入していた。

この時の「紳士ランスロット」のキレッキレのアクションは痛快。
誘拐犯をぶちのめし、ワインを受け止めてキメたところで「カッコいい!と(心の中で)拍手しようとした瞬間、なんと彼は頭から真っ二つに両断されてしまう。
そう、このテンポと残虐性がこの監督と原作者の持ち味なんだった!
犯人は鋭利な義足をつけた美女で、誘拐された博士をさらわせた張本人は、アメリカ人のIT富豪ヴァレンタイン。うん、眼帯をつけてないサミュエル・L・ジャクソンを久々に見た気がする。

欠員となった「ランスロット」を補充するため、ガラハッドはかつての死んだ部下の息子であるエグジーの元へ向かう。
エグジーは母の再婚相手とその仲間に暴力的に支配される家庭で育ち、すっかりダメダメなチンピラになっていたものの、ハリーはかつて海兵隊員で、子供の頃は体操選手を目指していた身体能力と、父性に飢えるが故にどこか素直さを残す性格に素質を見出し、ランスロット候補としてキングスマンの訓練に入らせる。

ここから物語は、ヴァレンタインが推し進める「地球と生物にやさしい人類撲滅計画」と、エグジーの訓練が同時進行していく構成に。
ヴァレンタインは各分野の研究者や、各国の権力者、大富豪などを誘拐したり勧誘したりして、自分の計画に次々引き入れている。引き入れられた人間は皆一様に耳の下に手術痕があり、最初に誘拐された科学者(なぜかスター・ウォーズのマーク・ハミルが演じている)など、ハリーが追い詰めて詰問しようとしたら脳味噌BANでお陀仏になってしまった。なむなむ。

一方エグジーの方は、貴族主義・エリート主義の連中にいびられながらも、女だてらに最優秀のロキシーと共に難関をクリアしていく。寝てる時にいきなり浸水して脱出方法を考えるとか、犬を育てるとか、スカイダイビングで一人だけパラシュートが開かないなど、色々な困難が準備される。
だけどエグジーは、絶体絶命のピンチだった線路に縛られて列車が来る難関はクリアしたのに、最後の試験である「育ててきた相棒の犬を撃つ」ことができず、不合格。
ランスロットはロキシーが継ぐことになって、ハリーを失望させてしまう。

ちなみにこの「犬を撃つ」は私にも絶対無理だが、実際には空砲だった。だからランスロットも犬は殺していない。
パラシュートも実際は全員についていたし、列車がくると縛られた線路ごと下におりる仕組みだった。
寝室の浸水時には逃げ遅れた仲間が一人死んだのだけど、実はこれも死んでなかったのだそうだ。(あー、けどこっちは死んでてもよかった気がするな…彼女には悪いけどさ。)

それにしてもやっぱりこの映画の中で一番驚いたのは、ヴァレンタインの策にはまったハリーが、教会での「実験」によって最強の戦闘力を見せたものの、そのまま射殺されてしまうということだった。
ええええええええええええええええ!?ハリー死んじゃうの!?ここで!?と、驚きを隠せなかった。
何かの間違いじゃないかとか、別人なんじゃないかとか、実は生きてましたって展開があるんじゃないかと最後まで考えてたけど、残念ながらそれはなかった。

この皆殺しバトルロワイヤルシーンはコミカルながら容赦なく、男も女も串刺し、ナイフ、銃、素手とひたすらバイオレンス。
ヴァレンタインの「人類撲滅作戦」は、彼が世界中にばら撒いた無料SIMカードを通じ、人間の凶暴性を引き出して互いに殺し合わせるという所謂「ダチュラ」作戦。こういう中二病丸出しの世紀末絶望小説、私も昔書いたわ~(恥)

ハリーの死を目の当たりにしたエグジーはアーサーの元へ向かうのだけど、その時異変に気づいてしまう。
ガラハッドの死を悼むアーサーの耳の下に、あの手術痕があったのだ。
ヴァレンタインの手がキングスマンの中にまで伸びていると知り、エグジーは指導教官のマーリンとランスロットの元へ。
SIMカードへの指令はヴァレンタインの私物衛星からなされると知り、ランスロットは衛星破壊、エグジーはアーサーになりすまして、ヴァレンタインが賛同者たちの安全のために用意した隠れ家に乗り込んでハッキングを行う事になる。

潜入劇はお約束とはいえ、ここで正体がバレてピンチに陥ったエグジーがマーリンにやってもらったことがあまりにもバカバカしい結果を招く事に。殺し合いを避けるため、耳の下にチップを埋めた人々がまるで花火のように脳味噌バーンで死んでいく。
それはもう完全に人間花火。BGMまでついちゃって悪ふざけにもホドがある。
とはいえ血飛沫や脳漿が飛び散るばばっちいものではないので、ギャグとして見られるかなという感じ。BGMのおかげで私は劇場でケラケラ笑ってしまった。バカなことするよね~、ホントに。

そしてついに、爆発チップを自分だけは埋め込んでなかった(ズルい!)ヴァレンタインとの最終決戦…の前に、義足の殺人者ガゼルが立ちはだかる。
それにしてもいつでも凶器となる義足で殺人ってのは考えたもんだ。あんなに激しく飛びまわってたら断端部は一体どうなってるのか心配だけども。
その間に皆殺し作戦は決行され、エグジーの母親もエグジーの妹を殺したくて、ランスロットの助言どおり鍵をかけた風呂場の扉を破壊しようとする始末。赤ん坊を殺そうとするってことは、この数分間(数十分間?)で力の弱い子供や年寄りが随分殺されたのかな?

全てが終わった後、エグジーはどうやら無事、新生キングスマンのエージェントとなったようだ。
コードネームは明かされなかったけど、やっぱりガラハッドだったのかなぁ…

とりあえず、人間花火とか、教会バトルロワイヤルとか、世界を救ってくれたら後ろの穴でヤってもいいと言う王女とか、相変わらずバイオレンスでお下劣なブリティッシュ・アクション・コメディ。
キック・アスよりはストーリーがしっかりしているので見応えがあるけど、キック・アスよりはギャグもグロも抑え気味なので、そのへんを期待していくと食い足りないかも。
でもスーツ姿の紳士アクションは優雅かつキレッキレでカッコよく、ガゼルを仕留めた靴の先に仕込んだ毒入りナイフや防弾傘など、英国紳士らしく、かつスパイらしい小物使いやギミックはとても楽しい。

父性に飢えていたエグジーがハリーという師匠を得て成長していく物語でもあるので、それも普通に楽しい。
しかしこの監督、親を殺さないと気がすまないのだろうか…

(2015/10/11 記)
この記事のURL | | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<映画INDEX | メイン | キック・アス/ジャスティス・フォーエバー>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://parallelmotion.blog112.fc2.com/tb.php/36-81875eb0

| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。