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カールじいさんの空飛ぶ家
2015/01/17(Sat)
「風船で飛行」と聞くと、いやでもあの「風船おじさん」を思い出すよねぇ…

公開当時から見たいと思ってたんだけど、ウォーリー同様見そびれてしまった作品。
しかし念願かなって見てみたら、予想以上に大冒険譚でカールじいさんもラッセルも頑張っててすごく面白かったので驚いた。
ホント、最近のディズニーやピクサーの作品は侮れない。下手したら日本の「コアなファンでいいから円盤が売れる作品だけを作ろう」というアニメ業界よりいい作品を作ってるかもしれない。

子供の頃に「冒険が好き」という趣味が合ったエリーと結婚し、幸せに暮らしてきたカールじいさん。
しかし妻が病に倒れて亡くなり、訪ねてくるのは再開発のために立ち退きを迫る交渉人と福祉施設の相談員、それからボランティアの押し売りをする太っちょのボーイスカウト隊員くらいで、すっかり一人ぼっちの頑固じじいになってしまった。
ところがある日、偶然の事故で交渉人に怪我を負わせてしまったため、カールじいさんには裁判所から立ち退きと施設への入所が言い渡されてしまう。

失意のじいさんは、施設入所の前日に最愛の妻エリーが残した冒険日記を見つけ、彼女と行こうと誓っていたパラダイス・フォールへ行くことを決意する。
でも飛行機や船で行くのではない。なんと調度品を固定し、たくさんの風船を家に結びつけて、家ごと空の旅に出たのだ!

もちろん順風満帆ではなく、晴れの日ばかりではなく雨や嵐の日もあり、何かあれば風船はしっかり割れてしまう。(このへんはやけにリアル)
しかもさらに悪い事に、家の中にはボーイスカウト隊員のラッセルまで入り込んでいた!
このラッセルののんびりととぼけた性格と、カールじいさんの頑固で聞き分けのない性格がうまいことマッチングして、2人の会話が実に楽しい。
太っちょでおとぼけキャラのラッセルだけど、実は両親が離婚していて父親に引き取られたようなんだけど、父の再婚相手とうまくいかず、その結果父とも話ができないので、なんとかボーイスカウトのバッチを手に入れて父から授与してもらいたいのだと言う。
そんなポンコツ・トラベルでなんとかかんとかパラダイス・フォールが見えるところまで辿りついたものの、エリーと目指した滝の近くまで家を持っていくと、頑固なじいさんは譲らない。

ところがここにはかつてカール少年とエリーが憧れた冒険家のチャールズ・F・マンツが住み着いていた。
彼はかつて持ち帰った怪鳥の骨を偽物扱いされて失脚し、犬を従えて何十年も怪鳥を捕らえるべく狙っている。
で、その怪鳥はといえば、ラッセルの前に現れてチョコレートを貰い、すっかりなついてじいさんに「連れ込むな」と叱られる始末。
しかもさらにケヴィンを追っかけてきたバウリンガル付の犬・ダグまでもが二人に懐きまくる始末。

カールじいさんは最初こそ憧れの冒険家マンツに会えて感激していたものの、彼が怪鳥のケヴィン(命名はラッセル)を追っていることと、昔の栄光への妄執に危険を感じ、出発を急ぐ事にする。
が、すっかり少なくなった風船では、家はもう前のようには飛べないため、犬部隊に追跡されてついにケヴィンは拉致られてしまう。

マンツが隠し持ってた飛行船に乗り込むべく空を駆け、空中戦を繰り広げるその様はまるで往年の宮崎アニメを髣髴とさせる外連味たっぷりの冒険シーン。こういうのが見たいのに、労咳の病人の前でタバコだの妻との睦言だのを描いてるんじゃ、宮崎も老いたりよ。

「あなたが大好き!」とカールじいさんにラブコールするダグが死んじゃったかと思ったシーンは、わりと本気で心配しちゃったよ。
マンツに勝利し、飛行船を手に入れたじいさんはエリーとの愛の巣をパラダイス・フォールに置いてさらなる冒険の旅を続ける事になったようだ。
けれど大切な友人であるラッセルとの友情も続いているようで、どうやらママと暮らし始めたラッセルにバッチを授与したのは、疎遠になった父ではなく、カールじいさんだった。しかもそのバッチは、ボーイスカウトのものではなく、エリーがカールにくれた王冠のバッチ!
そして昔パパとやったように、カールじいさんと車の色当てをするラッセル。
それがひと段落すると、2人はダグをはじめマンツが飼っていた犬たちと共に飛行船に乗り込み、また大空へと新たな旅に出るのだった。

とにかく風船で浮かんだ家から見る景色が素晴らしい。町や畑や空がとても綺麗だった。
そしておでぶちゃんでボーイスカウトのくせにテント一つまともに張れないラッセルが超絶ウザい。ウザいのに、よくよく関わってみれば純真で素直ないい子で、しまいには可愛くすらなってしまう。なんか悔しい。けど嬉しい。
パラダイス・フォールがまんまギアナ高地。ケヴィンの七色の羽がとっても綺麗。バウリンガルで喋るダグがとにかく可愛い。
一万個を超える風船もカラフルで綺麗。家の調度品もしゃれていて、とても住みやすそうなおうちだ。

それにしても、まさか最後の最後にあんなコナンやラピュタばりの空中大合戦が待っているとは思わず、ホントにビックリした!そしてすごく面白かった!楽しかった!ケヴィンを助け、犬たちも死なず、マンツだけが落ちていった時は、じいさんがちゃんと手を伸ばしてかつての憧れの人を救おうとし、マンツもこれで心を入れ替えるか…と思ったけど、結果的には一人寂しく落ちていってしまった。容赦ないなぁ…ちょっと後味は悪いけど、最近の日本のアニメはぬる過ぎる作品が多いので、見習って欲しい。
カールじいさんとラッセルの友情物語もいいし、最後にケヴィンが雛を育てているメスだったというオチも笑った。

しかしやっぱり何より、あの風船おじさんもまだどこかを飛んでるのかなぁと思い出すような映画であった。

(2015/10/11 記)
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